部屋=房
今度の部屋は、個室だ。
“部屋”“個室”と書いているが、いわゆる「独房」である。
“房”には単独室と雑居とがあり、字のごとくであるが雑居は複数人で過ごす部屋の
事だ。
雑居は、話相手などには困らないかもしれないが、気の合わない人との生活も
もちろんあるし、全くプライバシーもパーソナルスペースも期待できない。
ケンカなどトラブルの危険も当然ある。
ケンカなどの規則違反をするとそれ相応の罰を受けることにもなりその後の処遇にも
影響が出てくる。
細かい話だが、トイレの問題もある。
トイレを使用する場合、大きい方をするときには必ず「用便行きます」などと
申告してトイレに向かわなければならないなど煩わしいのだ。
また、夜中にお腹が痛くなっても同衆の迷惑になるので水洗は流せない。
寝る前にバケツに水を張り、その水をソッと流す。そして起床時には、同衆に向かい
「昨夜は用便すみませんでした」と言わねばならない。
拘置所ではいろいろなパーソナルデータを取られるようだ。
事件の大きさ、留置場での生活態度、人間性など。
それらから、社交性に問題がないようなら「雑居房」に入れられるような気がする。
わたしは、留置場で自傷行為など問題行動があったためか独居房となったのであろうか。
畳が3畳ほど。それ以外に洗面、トイレが剥き出しになっている。
奥には大きな窓がある。しかし曇りガラスの上、監視のためなのだろう、ベランダ風の通路もあるようだ。だから外の天気などを伺い知ることは叶わない。
こんなに空が恋しくなるとは思わなかった。
部屋には歯ブラシ、粉末の歯磨き粉、ガーゼ?、タオル、布団一式がある。
ここで生活をすることになるのだ。