おわりのはじまり1
お袋が死んで親父が心配だ。
数年前に脳梗塞を起こし右半身に麻痺が残った。
工場での職人だった親父。
仕事がままならない。
だから仕事を辞めた。
お袋が死んで親父は実家で一人暮らし。
そして生活に支障もある。
親父に相談しても「前の会社の人と一緒に暮らす」と言う。
そんな誰だか分からない人、ダメだろう。
老人ホームなんてもってのほか!
今思えば、好きにさせてやればよかった。
親父の人生。
その時のわたしは、結婚をし実家から車で15分のところに
マンションを購入し嫁と子供たち2人と暮らしていた。
4人家族には手狭の2DK。
けれどまだ子供たちも小さいので問題なかった。
そこに親父を呼びたい、近くに置いておきたいと思った。
恐る恐る嫁に相談をした。
嫁は快く承諾してくれた。
ありがたかった。
次回、「おわりのはじまり2」