判決まで
それまで弁護士の面会やらがあったが、状況は悪くなる一方だった。
嫁の面会もあった。
おそらく私がこんな状態で面会謝絶状態だったので、足を運んでくれても
空振りに終わる日もあったろう。
面会ができる算段となってもわたしは白い装束、右腕はなんだかグルグル巻き。
そして何本もの点滴を引き連れ、車椅子姿。
どこまでも迷惑をかける野郎にわざわざ面会に来てくれた。
親父の旧知の友達も面会に来た。
親父が子供のころからの付き合い。ずっと友達なのだ。
もちろんわたしも知っている。
結婚をしたときにも仲人になってもらったほど。
その夫婦も面会に来てくれた。
もう親戚づきあいのようなものだったが、おじさんの心中は計り知れないだろう。
わたしに向かって「大丈夫だ。大丈夫だ。」と繰り返し言いながら涙を流していた。
おばさんはアクリルごしにわたしを見て押し黙ったままだった。
辛かった。